第2回:鎌倉・室町時代 〜武士の時代と着物の進化〜

第2回:鎌倉・室町時代 〜武士の時代と着物の進化〜

鎌倉・室町時代は、武士が台頭し、日本の社会が大きく変化した時代です。それに伴い、着物のスタイルも変わり、より実用的で機能的なものになっていきました。

💡 武士の時代に着物はどう変わったのか?
💡 鎌倉時代と室町時代で着物にどんな違いがあったのか?
💡 小袖の登場が着物文化に与えた影響とは?

鎌倉時代:武士の着物の誕生

鎌倉時代(1185〜1333年)には、武士が政治の中心となり、それまでの貴族中心の文化から、より実用的な文化へと変化しました。衣服も例外ではなく、華やかで重厚な平安貴族の装束に比べ、武士の着物は動きやすさ戦闘時の機能性を重視したものになっていきました。

鎌倉時代の代表的な武士の服装には、次のようなものがありました:

  • 直垂(ひたたれ):武士の正装であり、ゆったりとした袖と長めの裾が特徴
  • 狩衣(かりぎぬ):貴族のカジュアルウェアだったが、武士も動きやすさから採用
  • 袴(はかま):動きやすさを重視し、戦場でも使用された

室町時代:小袖の登場と庶民の着物文化

室町時代(1336〜1573年)になると、着物はさらに進化し、より広い階層に普及していきました。この時代には「小袖(こそで)」という新しいスタイルの着物が登場しました。

小袖は、それまでの着物に比べて袖口が狭く、動きやすいデザインになっています。この変化は、次のような理由によるものでした:

  • 貴族だけでなく、武士や庶民にも着物文化が広がった
  • 戦国時代に向け、動きやすい服装が求められた
  • 着物の染色や刺繍技術が発展し、個性的なデザインが増えた

また、この時代には染色技術の発展により、美しい柄や色彩が施された着物が多く作られるようになりました。

鎌倉・室町時代の着物が現代に与えた影響

鎌倉時代には、実用性を重視した着物が登場し、室町時代には小袖の普及によって着物文化が広く浸透しました。小袖は、後に江戸時代に大きく発展し、現代の着物の基礎となります。

また、室町時代の染色技術は、現在の着物の柄や色合いの美しさにも大きな影響を与えています。

次回予告:安土桃山時代 〜豪華な着物と戦国武将の衣装〜

室町時代が終わると、戦国時代を経て、安土桃山時代には豪華な着物文化が生まれます。武将や大名の派手な着物、豪華絢爛なデザインなど、着物文化が新たな進化を遂げる時代です。

次回は、「安土桃山時代 〜豪華な着物と戦国武将の衣装〜」をお届けします。お楽しみに!

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