第5回:明治・大正時代 〜和洋折衷の着物スタイル〜
江戸時代が終わり、明治維新(1868年)によって日本は急速に西洋化しました。この変化は、着物のスタイルにも大きな影響を与え、和洋折衷(わようせっちゅう)のファッションが登場しました。
💡 明治時代に着物はどのように変化したのか?
💡 和洋折衷の着こなしとは?
💡 大正時代のモダンな着物スタイルとは?
💡 和洋折衷の着こなしとは?
💡 大正時代のモダンな着物スタイルとは?
明治時代:西洋化の波と着物の変化
明治政府は、近代化を推進するため西洋式の服装を奨励しました。これにより、公的な場では洋装が推奨されるようになりましたが、庶民の間では引き続き着物が日常着として愛用されました。
明治時代の着物の特徴:
- 男性: 正装として洋服が推奨されるが、日常では着物に羽織や袴を合わせるスタイルが一般的
- 女性: 洋風の要素(襟飾り・レースなど)を取り入れた着物が流行
- 女学生: 袴(はかま)とブーツを組み合わせた和洋折衷スタイルが普及
和洋折衷の着こなしの登場
明治時代の後半になると、洋服の影響を受けた和洋折衷のスタイルが一般的になりました。特に、女性の間では「袴×ブーツ」の組み合わせが人気となり、女学生の間で広まりました。
また、以下のようなスタイルが流行しました:
- 襟飾りやフリルを取り入れた着物: レースやリボンを加えて洋風アレンジ
- 和装に洋風の帽子を合わせる: カンカン帽やベレー帽が人気
- ブーツや靴を履くスタイル: 草履や下駄に代わり、洋靴が普及
大正時代:モダンな着物スタイルの誕生
大正時代(1912〜1926年)になると、日本はさらに西洋文化を受け入れ、着物の着こなしにもモダンなスタイルが取り入れられるようになりました。
大正時代の着物の特徴:
- 「大正ロマン」スタイル: カラフルで華やかな柄の着物が流行
- 洋風の帯結び: 現代の「リボン風帯結び」に通じるスタイルが登場
- カフェやモダンな場所での着物姿: 和装を楽しむ文化が発展
明治・大正時代の着物が現代に与えた影響
この時代の和洋折衷のスタイルは、現在の着物文化にも影響を与えています。特に、女学生の「袴スタイル」は、今でも卒業式などで定番の装いになっています。
また、大正時代のモダンな着こなしは、レトロブームとともに今でも人気があり、「大正ロマン」風の着物コーディネートが注目されています。
次回予告:昭和・平成 〜戦後の着物文化と現代の着物事情〜
昭和・平成時代になると、着物は次第に日常着からフォーマルウェアへと変化していきます。次回は、「昭和・平成 〜戦後の着物文化と現代の着物事情〜」をお届けします。
